ポワジー工場にて。
Chrysler(France)
『クライスラー(フランス)』
あまり意味のなかったフランス販売のクライスラー。
1960年代、フランスのシムカ社は
ヨーロッパ進出を狙うアメリカのクライスラー社に買収され、
1970年代に入って社名もクライスラー・フランス社になってしまいました。
その際に登場したのが、アメリカの親会社と同じ名を持つ『クライスラー』です。
フランス版クライスラー車の外見は一つのみで、
1960年代のやや四角いアメリカ車の縮小版といったデザインでした。
フランスのクライスラー車は『クライスラー 160』、『クライスラー 180』、
それに1970年代前半に加わった『クライスラー 2リッター』の3車種がありました。
(160には160GTというモデルもありました)
なお、フランス版クライスラーと同じものがイギリスでも存在していました。
ただし、イギリスでは180と2リッターだけだったようです。
また、フランスでは『シムカ』の名で売られていたものが、
イギリスでは『クライスラー』名で販売されていました。
1970年代半ばを過ぎた頃に、フランスのクライスラー車は
もともとシムカ社が作ってた『シムカ』の名を加えた『クライスラー・シムカ』と名を変えます。
車名のほうは、2リッターはそのまま、160は1609、180は1610となりました。
ここで、単にクライスラーを名乗るフランスのクライスラー車は消えたことになります。
どうやら、シムカの名の影響力は強かったようですね。
もっとも、のちにその名も消えることにはなるのですが・・・。
参考資料『ザ・ビューリー・エンサイクロペディア・オブ・ザ・オートモービル』