こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

シムカ

Simca

『シムカ』
長きに渡って存在した、平凡でも良質なフランス車。

フランスのシムカ社は、イタリア車『フィアット』のフランス版
『シムカ・フィアット』を1930年代半ばに誕生させ、
数年後に『シムカ』へと名を変えてフランス版フィアットを作り続けました。

車種は『フィアット 500(トポリーノ)』をベースにした『シムカ 5(サンク)』および、
フィアット 1100』ベースの『シムカ 8(ユイット)』がありました。

1950年代になると、シムカ社は地味ながらも拡張政策を進めます。
乗用車および商用車の『フォード(フランス)』、商用車『ユニック』、
そしてスポーツカー『タルボ・ラーゴ』の製造元などを傘下に収めたのでした。

買収により、中型車『フォード ヴデット』は『シムカ ヴデット』となり、
商用のシムカ車まで登場。
また、拡張政策を開始する前には、シムカ社は初のオリジナル小型車『シムカ アロンド』を
ラインナップに加えていました。
アロンドが成功したからこそ、躍進することが出来たのです。

1950年代の乗用シムカ車はアロンド、ヴデットともに、
丸みを帯びた円形二灯式ヘッドライトの平凡な車でした。
1960~70年代の四角いシムカ車『シムカ 1000』もまた平凡で、
『シムカ 1100』なども同様です。

一方、1960年代頃からは、今度はシムカ社が買収される側となり、
アメリカのクライスラー社の傘下になってしまいました。
それからは一部車種のブランド名として『クライスラー(フランス)』が使われます。

1970年代半ばには、クライスラー系シムカ車が登場します。
それらはグリル中央にクラスラーのエンブレムがついていますが、
ブランド名はシムカのようです(詳細不明)。

最初に中型車『シムカ 1307』および『シムカ 1308』が出現。
この2車は搭載されるエンジンが異なるだけで外見は同じでした。
イギリス版は『クライスラー アルパイン』です。
のちに外見が同じ『シムカ 1309』も加わります。

1970年代後半には、イギリスで『クライスラー ホライゾン』と呼ばれる
小型車『シムカ オリゾン』として市場に出回りました。
オリゾンはホライゾンのフランス語読みです。
どちらも5ドア・ハッチバック車で、目立たないながらも、
いさぎよいほど四角くて好感の持てる車でした。
以前のシムカ車に比べて、クライスラー傘下後のシムカ車のほうが見栄えが良いですね。

1970年代後半に今度はプジョー社の傘下となって、
生産中だったシムカ車は『タルボ・シムカ』と名を変え、
その名がついた車達もすぐに『タルボ』となってしまうのでした。


参考資料『ザ・ビューリー・エンサイクロペディア・オブ・ザ・オートモービル』等