こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

パッカード

今日(昨日)は夜空に浮かぶ月が満月で、外は割と明るめでした。

今回は、一時期は満月のように明るく輝いていたアメリカの名車のお話です。


『パッカード』
かつてアメリカで存在した、作りの良い高級車。

(パッカードについては)オーナー(所有者)に聞いて下さい。

これはパッカード社の有名な広告の文章です。
同社の製品に対する自信があふれていますね。


アメリカの高級車『パッカード』は、
パッカード社の創業者となるパッカード氏が『ウィントン』を購入したものの、
新車にもかかわらず故障が多く、ウィントン社に意見を言いに行ったところ、
「それなら自分で作ってみたらどうだ?」と追い返されたために作られた車でした。

・・・悲しいことに、ウィントン車が自動車の歴史で最も大きく現れるのはこの時なのです。
ウィントン車にも功績はあるようですが、
やはりウィントン車が知られるのはパッカード車誕生の話にて、のようですね。

それはさておき、言われて「自動車」を「自作」してしまったのはすごいです。

今では考えられません。

しかしながら、20世紀初頭(1900年代)頃、自動車誕生当時は多かったようです。
多少の機械の知識があれば作れると思われていたらしいのですよ・・・。


そうして誕生したパッカード車は、ウィントン車と違い、

「壊れない」

優秀な車でした。

次第にパッカード車は高級車としての地位を確立し、
1920~30年代には特に人気のあるアメリカ高級車の一つとなっていました。

パッカード車と言うと、派手というよりはひかえめな感じの高級車といったイメージでしょうか?

グリルは上部が左右だけ少しきゅっとくぼんでいて、屋根のような感じ。
これはパッカード車のほとんどに採用されていた特徴的なグリルでした。


時は流れ、1950年代。
その時代こそは、アメリカ車の黄金期。
ですが、パッカード社は経営不振でした。
同じく経営不振のスチュードベーカー社(中型車『スチュードベーカー』の製造元)と合併し、
『スチュードベーカー・パッカード社』になります。

経営不振は合併しても経営順調には決してならず、パッカード車は1960年代に入る前に
姿を消したようです(スチュードベーカー車は1960年代に消滅)。

自動車の消滅する直前は、大抵おかしなことになっています。
パッカード車も例外ではなく、
最後のパッカード車は

「高級車ではない」スチュードベーカー車を元にした車両だったのです。

これは「パッカードベーカー」と呼ばれてしまいました。

もはや、最後は高級車にふさわしい車ではなくなっていたのでした。

パッカードベーカー生産中止で、パッカード車の歴史は幕を閉じます・・・。


半世紀以上もの間、作られたパッカード車。
生産中止になったものの、その名は非常に有名で、なおかつ優れている、
アメリカ製高級車の最高傑作の一つです。

なので、今現在もファンやオーナーに愛されています。
ウィントン車が今も愛されているかどうかは少し疑問符ですが・・・。

パッカード車は今でも、尊敬される自動車

いえ、

尊敬される高級車、と言えるでしょう。