チョロQのBGMを聴きながら書いています。
で、今回は・・・。
『ADC』
かつての大企業2社の連合で生まれた車は短命に終わった。
自動車メーカーは、他の自動車メーカーと提携したり、合併したりといった
つながりを持つことが多いです。
1920年代のこと。
イギリスの長い歴史を持つ『デイムラー社』と
同じくイギリスの商用車メーカー『AEC(アソシエート・エクイップメント・カンパニーの略)社』が
商用車に関して一緒になりました。
ここで『ADC』の名を持つ商用車が誕生したのです。
ADCとは、「アソシエート・デイムラー・カンパニー」の略のようです。
双方の名前をとった結果、そうなったのでしょう。
ただ、ADC車は非常に短命でした。
1920年代の半ばに現れ、1920年代後半には消えました。わずか3年程度の存在。
ADCブランド消滅後は、双方の名前で商用車が販売されます。
つまり、再びデイムラー・ブランドとAECブランドに分裂したのでした。
その後、時は経ち、また2社は一緒になりました。
それは
デイムラー社の親会社ジャガー社が傘下に入っていた
『BMH(ブリティッシュ・モーター・ホールディングスの略)社』と、
AEC社が傘下に入っていた『レイランド社』が、
合併して『ブリティッシュ・レイランド社』になったからで、
一応、同じ屋根の下には入りました。
しかしながら、両社はかつてのような共同事業をできるほどの独自性は持たず、
ブリティッシュ・レイランド社が1980年代に崩壊する最後の時まで、
ADC車が復活する機会はありませんでした。
今も当然ADCの名を持つ商用車はありませんし、
AEC車の存在はすでに遠い過去の話。
そしてデイムラー車には現在、商用車は存在せず、
かろうじてジャガー車の最上級仕様のブランド名として残っているにすぎません。