今回は『スターリング・パナール』の回とほとんど同じ文章です。
『クレマン・スターリング』
大昔は有名だったフランス車の名がついた輸入車。
1900年以前に存在していた『スターリング社』。
この会社はイギリス初期の自動車メーカーとしても知られます。
1900年以前にも車を作っていたのですが、
1900年に入るとフランス車の『クレマン・パナール』を輸入・販売を始めます。
クレマン・パナール車はクレマン社がパナール社から許可を取って作ったパナール車なので、
双方の名前がついています。
このクレマン・パナール車をスターリング社がイギリスでは『クレマン・スターリング』
または『スターリング・パナール』として売り出しました。
元の名前のどちらかが消え、消えたほうにスターリングの名前が入っています。
2車は名前が異なるだけで同一の車ですが、知らない人が聞けば別の車だと思うでしょう。
片方はパナールの名が入ってなくて片方はクレマンの名が入っていないのですから。
また、2車の名称のつけかたは異なるため、
宣伝するにしても両方の名前が一緒に使われたとは考えにくいです。
恐らく、時期等によって異なっていたのだと思われます。
なので、ここではそれぞれ別個の自動車ブランド名として扱います。
CLEMENT STIRLING
クレマン・スターリング車は販売元のスターリング社の名と、
今では無名なものの、かつてはすごく有名だったクレマン社の名が結びついています。
クレマンの名の後にスターリングの名がついているため、スターリングの名がひかえめな感じですね。
それに、クレマン社が作るクレマン・パナール車を輸入しているのですから、
スターリング・パナール車よりも名称が正確かもしれません。
ボディは高級なクーペか、普通の屋根なしが用意されたみたいです。
クレマン・スターリング車は中身がフランス車ですが、
イギリス車として売られた名称なので、イギリス車に分類します。
クレマン・スターリング車は短命で、1900年代前半には販売が終了したようです。
もっとも、フランスからの輸入をやめただけだと思いますが・・・。
参考資料『ザ・コンプリート・エンサイクロペディア・オブ・モーターカーズ』