先週に引き続き、今回もフォードの名が入る自動車ブランド名です。
『マトフォード』
マティス社がフォード社に支配された形。
かつてはフランス上位の自動車メーカーだった『マティス社』。
同社が作っていたのは、社名と同じ名を持つ『マティス』でした。
マティス車の後継車として、1930年代半ばに『マトフォード』が現れます。
後継車と言えば聞こえはいいですが、ブランド名に含まれているように、
マトフォード車はアメリカの大自動車メーカー『フォード社』のフランス向け車両でした。
マティス社は、フォード社傘下となってしまっていたのです。
MATHIS+FORD=MATFORD
マティス工場で生産されたマトフォード車は、
当時のアメリカのフォード車とほとんど同じように見えるデザインでした。
流線形で、グリルが逆三角的で上方が後ろに引っ張られているような感じ。
当時のフォード(イギリス)車やアメリカの『リンカーン ゼファー』も
マトフォード車と同様のデザイン。
それら一連の流線形フォード・デザインは、リンカーン ゼファーがデザインの元祖のようです。
あと、製造工場では、乗用車とは異なる形の商用車も作られていました。
MATFORD
2つの名が組み合わさったマトフォード車は
第二次大戦後、1940年代後半に入った頃まで作られ、その名は消えます。
マトフォード車生産中止以降のブランド名は、
マティスの名残が完全に消えた『フォード(フランス)』になりました。
フランス版フォードは、イギリス版やドイツ版と比べて短命でした。
一方、マティス車も復活はするのですが、大して売れることもなく消滅してしまっています。
参考資料『ザ・コンプリート・エンサイクロペディア・オブ・モーターカーズ』