『トラベラー』
戦後モーリスのワゴン・モデルにつけられた名前。
第二次大戦後のモーリス車には、ボディ形状にエステートカー、
つまりステーションワゴンンになっているものもありました。
それは『トラベラー』とよばれます。
当時の相棒のオースティン車にも、エステートカー仕様には
固有の名前がついていました(カントリーマン)。
特に有名なトラベラーは、ミニの全長を伸ばした『モーリス ミニ・トラベラー』ですね。
人気も、トラベラーの中では一番高いでしょう。
オースティン版のミニ・カントリーマンとは、元のミニと同じようにグリルのデザインが異なります。
ただし、エステートカー仕様のデザインの特徴は共通。
全長がミニよりもかなり長い。
ボディ左右と背後には木の骨組みパーツがつく。
背後のドアは両開き。
そんな感じです。
ミニのワゴン版は
トラベラーかカントリーマンかが重要なのではなく、
普通のミニなのか、
それとも普通ではない(ワゴン仕様の)ミニなのか
のほうが重要でしょう。
雰囲気良くまとまったエステート仕様は普通のミニよりも数が少ないものの、
オ-スティン&モーリス時代の古いミニとしては、見かけない車ではないと思います。
モーリス (ミニ・)トラベラーは
ミニのブランド名がオースティンとモーリスからBLへと統合された際、消滅してしまいます。
後を継いだのは、『BL ミニ・クラブマン・エステート』。
顔つきは特徴のなさそうなミニ・クラブマンと同じ。
ボディ外側につけられていた材木パーツは姿を消し、
エステートカーを示すサブネームが『トラベラー』という情緒漂う名前ではなく
ごく普通な『エステート』になった
という、かなり寂しい車でした。
あまりにもミニのワゴン版が日本では有名なため、
モーリスのトラベラーやオースティンのカントリーマンがミニ一族に思われていそうですが、
それは大きな間違いで、
トラベラーはモーリス一族、カントリーマンはオースティン一族の名前です。
その名はモーリス/オースティン時代のミニにしか用いられていませんし、すでに上でも書いた通り、
他のモーリス/オースティンの車両(例えばモーリス マイナー・トラベラー)も
トラベラー/カントリーマンの名前を名乗っていたのですから。
前の文をかなり流用(苦)。しつこくてすみません。