こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

MG

ブランド名シリーズはこれまで弱小なのばかりでしたが、
今回は今年最後のため、去年同様、有名ブランドを登場させます。
無事(?)、今年分の在庫は空になりました。

今回は、去年の最後に書いた名車『ランドローバー』と
すごく近い境遇(ローバー・グループ傘下)に置かれていたのにもかかわらず、
車の性格が全く異なることから、
ついに外見上で共用化されることはなかったイギリス自動車ブランドです。

・・・大好きで歴史も長いため、やっぱり説明が長くなってしまいました(焦)。


『MG』
イギリスを代表する、軽量な大衆スポーツカー。

あまりにも有名なイギリスのスポーツカーのブランドの『MG』。
この製品名はかっこいい感じですが、
これはなんてことのない、「モーリス・ガレージ」の略なのです。
もともと、MG車は『モーリス』を改造した屋根なしスポーツカーでした。

えむじー

最初のMG車は1920年代に登場。
それは丸みを帯びて少し前へとせり出したモーリス車のグリルを持った
オープン・スポーツカーでした。

次に出たのが、『ロールス・ロイス』のような五角形グリルを持ち、
グリル内中央にMGのエンブレムが入るMG車。

その次に出たのが、縦二分割で上部中央にMGエンブレムが配された、
いわゆる「MGグリル」のMG車です。

そして1920年代後半に、より安価になったスポーツカー、
『MG Mタイプ・ミジェット』が登場します。
これは最初のミジェットで、かなり売れたみたいです。

その後は、1930年代から1950年代にかけて生産された『MG Tシリーズ』が
MG車の看板車種でした。
これもMGグリルを持った、屋根なし軽量・小型の大衆向けスポーツカー。

一連のTシリーズまでは縦長のグリルで
戦前型(第二次大戦以前、1940年代より前)のようなデザインでしたが、
1950年代の『MG A』からはグリルが縦長でなくなり、
ウィング(フェンダー)も独立式ではなくなっていました。

えむじー

MG車には、サルーン(セダン)もありました。
屋根つきが意外でかっこいい『MG Y』は代表例です。

また、親会社の別製品を元にしたサルーンも作られました。
MG車がすでにモーリス社(ナッフィールド・グループ)の製品の一つとなっていた
1950年代前半に、その親会社モーリス社がオースティン車と合併してBMC社となり、
BMC社製のサルーンが誕生。

1960年代のBMC社のADO16シリーズの
MG版『MG 1100』および『MG 1300』は、
四角いMGグリルを持った小型サルーン
モーリス版よりも、BMC社の高級ブランドの『ヴァンデン・プラ』の
ADO16シリーズに顔つきは似ていました。

同じく1960年代には、
『オースティン・ヒーレー スプライト』のMG版として『MG ミジェット』が登場します。

MGグリルは横長なものの、軽量な屋根なし小型スポーツカーという、
MG車の伝統そのものでした。

それにAの後継車『MG B』も発売されます。
ミジェットよりも大きく、
他ブランドにデザインが流用されない唯一のMG車でした。

同じ1960年代、親会社はさらなる合併でBL(ブリティッシュ・レイランド)社となっていて、
ライバルの『トライアンフ』までもが「身内」になっていました。

トライアンフ車はラインアップが多く、新型が投入される一方、
MG車はミジェットとBが延々と作られるだけでした。
良く言えば、根強い人気があった、
悪く言えば、放置されていた、となるでしょう。

トライアンフ車が優遇されていたみたいですが、
後年、同車はあまりにも悲しい末路をたどっています。

えむじー

1980年代に入り、最後まで残っていたBが生産中止となり、MG車は途絶えてしまいました。

ですがそれもわずかな間で、
新小型車『オースティン メトロ』にMGエンブレムをつけた
スポーティ版『MG メトロ』としてすぐに復活します。
他にも2車種、同じように作られたMG車がありました。

ベースがモーリス車ではなくオースティン車になっていますが、
それはオースティン車のほうが親会社のメインになっていたからに過ぎず、
もしモーリス・ブランドがメインになっていたら、
MG車はモーリス車ベースとなっていたでしょう。

このオースティン車ベースのMG車も、オースティン・ブランドが滅んだ後に消滅します。

えむじー

その後、親会社はBL社が社名変更したローバー社となり、
1990年代にMG車は再び復活します。

まずは、かつてのBのボディを流用し、それに大型エンジンを搭載させた『MG RV8』が登場。
続いて今でも時折見かける小型スポーツカー『MG F』も現れました。

Fは『ローバー 100シリーズ』の部品を流用して作られた車で、
のちに改良版の『MG TF(2代目)』となります。
TFの名は、かつてTシリーズの最終モデルとして使用されていました。

えむじー

2000年代に今度は『ローバー』のMG版として
3車種の屋根つき乗用車が投入されます。

どれもがかっこよく、特に後期型が近代的MGグリルを持っていて
非常に素晴らしいデザインなのですが、
高級車ローバーのスポーティ版ということで、MG車のイメージとはかけ離れていました。

最上級の4ドア・サルーン『MG ZT』は『ローバー 75』とほとんど同じに見える、
明らかな高級車でした。

MG車もローバー車も外見が良いながらも売れず、
とうとう製造元のMGローバー社(ローバー社の社名変更名)が倒産します。
MG車も消えるかと思われましたが、今後、2代目TFが再び登場するようです(詳細不明)。

えむじー

MG車の歴史を見れば分かるように、そのほとんどが他車からの流用で、
「ついでに作られた」的な印象ですが、たくさんのファンに愛されました。
だからこそ、何度も復活したのでしょう。

今ではかつての勢いがほとんどないですが、
スポーツカーのブランドを語るのに、MGの名を省くことが出来ないのは、間違いないです。

Tシリーズにミジェット、ZTサルーンに2代目TFなどなど・・・。

MGの名を冠した車達は、どれも素晴らしい車達です。