2009年12月、2000年代の最後に
『トヨタ イプサム(2代目)』が製造中止となりました。
イプサムは2000年代特有の流線で上手くまとめられた中型ミニバンで、
消滅するまでは、現行トヨタ車の中で一番好きでした。
・・・せっかくなので、今回は滅多に語らないトヨタ車のことでも話題にします。
2代目イプサムが新登場した時期、トヨタ社は他にも素晴らしい車達を生み出していました。
それらはヨーロッパ・モデルと同様の顔にした5ドア・ハッチバックの
『トヨタ カローラ・ランクス』および『トヨタ アレックス』、
きれいにまとまった4ドア・セダン『トヨタ プレミオ』および『トヨタ アリオン』です。
ランクスとアレックスは1度目のマイナーチェンジ後(中期)モデルで、
前期の丸顔に比べて適度に鋭くなり、
リアコンビランプの縦線3本が印象に残る、素晴らしいデザインの車でした。
プレミオは顔が地味ですが、横の流れが美しく、後ろ姿も知的さを感じさせるものでした。
アリオンは本当にまとまりが良く、実に輝いて見えたため、
初めて見た時に「まるで宝石のよう」と思ったのを覚えています。
トヨタ車は時代ごとに好きな車が飛び飛びでありますが、
この2000年代前半ほど一気に出てきたことはなかったと思います。
トヨタにはこの頃すごく感激し、
それまでデザイン力が劣るとしていた評価を大いに見直したものでした。
しかし、過剰な憧れは終わります。
某ホンダ車のパクリが現れ、
これがデザイン的に元ネタよりも劣っているのにもかかわらずバカ売れ。
この車の登場により、高まっていたトヨタへの評価はあっけなく激減。
ランクス&アレックスは後期型で涙顔になってしまい、これがあまり似合っていませんでした。
しかも双方の顔がほぼ同じになり、リアの特徴もなくなったのです。
初代プレミオ&アリオンは後期型になっても魅力的でしたが、
2代目になるとやや角張り、せっかく手に入れた初代の美しいラインは
どこかへ行ってしまいました。
そうして今度はイプサムの製造中止。
現行トヨタ車で、強いて好きと言えそうなのは、
プレミオ&アリオン(初代よりもかなり劣る)、ラウム(もう終焉?)、
トヨエース&ダイナ、オーリス(拡大版ヴィッツの前期型はダメ)、
ラクティス、ブレイド(ただしリアのクリアレンズは嫌い)ぐらい。
今回のイプサム製造中止で言えることは、
すごく好きなトヨタ車が全て過去の車となった、ということでしょうか。
あの素晴らしかった頃は、単なる偶然だったのでしょうか?
そうではないことを期待したいですが、今後どうなることやら・・・。