久し振りな外車のお話かも。
時は1930年代。
乗用車の多数が流線形のデザインを持っていました。
高級車はもちろん、大衆車までもが、流れるようなボディ・ラインを持っていたのです。
今回は、その中でも『プジョー』と『パナール』を取り上げようと思います。
まず先に言いますが、プジョーとパナールを比べると、
大抵プジョーのほうが評価は高いとされています。
しかしながら、自分はパナールのほうが好きな少数派です(笑)。
プジョーの1930年代流線形と言えば、
『プジョー 202』、『プジョー 302』、『プジョー 402』の3車種。
これらの最大の特徴と言える共通点は、ヘッドライトがグリルの内側に入っているところです。
それにより、フェンダーのラインはヘッドライトという無駄なものが排除されました。
お陰で、その美しさを存分に堪能出来るでしょう。
自分もその点に関しては否定しません。
ですが、グリルの内側に入れたのが、見た目的にまずかったかと思います。
車を正面から見た姿は、しばしば人間の顔に例えられます。
本来は目がある場所に目がなく、口の中に目がついているのは、おかしいのではないでしょうか。
グリルの中で2つ目の化け物が外をうかがっているように見えて、
自分はどうしても好きになれません。
・・・単にヘッドライトのついてないレーシングカーなんかは、違和感がないのですけどね。
一方、当時は高級車として知られていたパナールの流線形は、『パナール ディナミク』。
これはプジョーとは逆で、無駄な装飾が多いのです。
分厚さを感じる大げさなフェンダー、
縦長の長方形グリルに似せた形状のヘッドライトが目を引きます。
ヘッドライトは厳密には内側の円形で、グリルの形をしているのはカバーなのですが、
異形に見えるヘッドライトを持つ車としては、最も初期の車だったに違いありません。
パナールのディナミクは、確かに華美を通り越してグロテスクな感もありますが、
グリルとヘッドライトの共通デザインが何より素晴らしいので、
プジョーよりも自分は気に入っています。