こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

スワローとスワロー・ドレッティ

今回は、英国車のお話です。

『スワロー』
第二次大戦(1940年代)以前、特に輝いていた名称の一つ。

スワローとは、スワロー社製のボディのこと。
スワロー社は元々サイドカー(本体の横に車輪つきの座席がくっついている2輪車)のメーカーだった
ようですが、1920年代頃には、車のボディを作るコーチビルダーの仕事もおこなっていました。

コーチビルダー:馬車の車体製造者のこと。ですが、車の場合はボディ製造メーカーのことを言います。
自動車誕生初期の頃は、自動車のボディは自動車メーカーではなく、
専門のコーチビルダーが作っていたのがほとんどだったようです。
次第に自動車メーカーが自身でボディを作れるようになると、コーチビルダーは衰退していった
みたいです。

スワロー社は何種類かの車をベースに、独自のボディを作って車にのせていました。
その中でダントツに有名なのが、
『オースティン・セヴン・スワロー』と呼ばれている車なのです。

オースティン・セヴン:1920~1930年代の小型大衆車。
そして、オースティン社とその製品『オースティン』を英国のトップクラスに押し上げた名車です。
ボディ形状は様々な種類がありました。

オースティン・セヴン・スワローはオースティン・セブンにスワロー社製のボディをのせたもので、
元のオースティン・セブンと比べてすごくスタイリッシュかつスポーティな見栄えを持つのが
特徴でした。
この格好良いオースティン・セヴンは大成功し、
スワロー社はSS社→ジャガー社へと変わっていきます。つまり、スワロー製ボディを持った車両達は、
英国で今も残るスポーティな高級車『ジャガー』の前々身に相当するのです。

スワローは悲劇の末路をたどったものが多い英国車の中ではめずらしく、成功のまま幕を閉じています。
あえて悲劇を言うのなら、スワローの名はブランド名ではなく、あくまでも多々ある
オースティン・セヴンのボディ形状の一つだということ。

「スワロー」のブランド名が車に冠されずに、
スワロー社はSS社となって『SS』というブランド名の車を作り始めたため、
スワロー・ブランドの車は存在しません。
「オースティン・セヴン・スワロー」をもしスワロー寄りに好意的な呼び方をするとしても、
「スワロー・セヴン」とは呼べず、せいぜい「オースティン・スワロー」まででしょう。

時代が何かで少し変わっていたら、
SS車は誕生せずに、スワロー車が誕生していたかもしれませんね・・・。



追加。

『スワロー・ドレッティ』
短命だった、少しかわいい1950年代スポーツカーの一つ。

スワローの名を持つブランド名の車は、実は存在しました。でもこれは「スワロー」ではなく、
『スワロー・ドレッティ』で一つのブランド名のようです。
1930年代。スワロー社は車作りを担当するSS社、
サイドカーを作るスワロー社(スワロー名はこちらが引き継いでいました)に分かれていました。
サイドカーを作っていたほうのスワロー社が第二次大戦後に作ったスポーツカー、
それこそがスワロー・ドレッティです。

屋根なし。
少し丸みを帯びていて、
ヘッドライトは丸目2灯。
ヘッドライトの下に小さな丸いウインカーを持つ。
丸目ヘッドライトと丸目ヘッドライトの間には、少し横に長い銀メッキのグリルがある。

1950年代の典型的なデザインのスポーツカーですね。
他の1950年代スポーツカーと同様、見た感じ、けっこうかわいいです。

スワロー・ドレッティは、1950年代の一時だけしか作られなかった貴重な車です。
自分はこの車をそんなによく知りません。
それは、この車がスワロー社製ボディをつけたオースティン・セヴンのように
成功をしなかったからでしょう。

成功していたら、数年で姿を消すなんてことはないでしょうから。

同じ頃、かつては同じメーカーだったジャガー社が作る『ジャガー』のスポーツカーは、大人気でした。
スワロー・ドレッティ・・・。なんか、かわいそうです。