自動車の顔を特徴づけるもの。
それは闇を照らす「ヘッドライト」。
それにエンジンの熱などを外に出すためにある、主に顔つきの中央についた「グリル」です。
今回はグリルのお話。
第二次大戦より以前の車には、主に縦長のフロントグリルがついていました。
1930年代ぐらいの車を見れば、分かると思います。
フロント/リア:「フロント」とは「前」のこと。「リア」とは「後ろ」のことを言います。
第二次大戦後になると、徐々にグリルの形は縦長から横長へと変わり、現在は横長が主流。
ですが、ごく一部には縦長フロントグリルを有する車もあります。
グリルは、各ブランドの特徴になっていることが多々あります。
高級車だと、昔からのデザインを用いた伝統的なグリルを使っていることが多いです。
大衆車の場合は、同じ時代の車は同じようなグリルを持っていたりするのですが、
年代によってグリルの形は様々。共通化していないこともあります。
伝統的グリルを持つブランド名で代表的なのは、長い歴史を持つ『ロールス・ロイス』でしょう。
内側が四角く区切られてその上にロールス・ロイスのエンブレム、
外側が角張った5角形になっています。
エンブレム:ブランド名や車名のマークのこと。例えば、現在の三菱車についている『三菱』の場合は、
その名の通り三つのひし形が上、右下、左下の3方向を向いてくっついたものになっています。
これは「スリーダイヤモンド」と呼ばれています。
銀メッキのこのグリルは、もう100年ぐらいの歴史があります。
100年ほど前は縦長でも横長でもない正方形に近い形が、
1920、30年代ぐらいから縦長になってそれがかなり続き、
現在ではまた縦長でも横長でもない形になっています。
縦横の大きさや細部が変わっても、基本的にロールス・ロイスのグリルは統一されています。
グリルの他の例をあげると・・・。
ライレー(イギリス):グリルの左右両端が釣り上がった形。
ジャガー(イギリス):二分割になっていて、内側は黒塗り、外側は銀メッキ。
デイムラー(イギリス):ジャガーの特徴に加えて、グリルの上部がギザギザになっています。
ジープ(アメリカ):縦に太めな線が7本ぐらい入っています。
マツダ(日本):黒塗りの五角形。中にマツダのエンブレムが入る。
このグリルは現在発売中のほとんどのマツダ車で見られます。
デミオ(コンパクトカー)、アテンザ(中型セダン)、AZ-ワゴン(軽自動車)など。
それ以外にもグリルは色々と種類があります。
特徴があるのを見比べてみたりすると、面白いです。