こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

ヴァンデン・プラ プリンセス

日本で一番見かけるイギリス車。それは間違いなく大衆車『ミニ』でしょう。

それでは、1960年代~1970年代のイギリス車だったら?

ミニではありません。

ヴァンデン・プラ プリンセス、なのです。


『ヴァンデン・プラ プリンセス』
かつて存在した、特に有名な英国製小型高級車。

ヴァンデン・プラ社は元々コーチビルダー(ボディ製造)のメーカーだったのですが、
ヴァンデン・プラ社を買収した「オースティン社」が「モーリス社」と合併して『BMC社』になり、
そのメーカーから『ヴァンデン・プラ』名のブランドを冠した車が売り出され始めたのです。
1960年代頃のことでした。

今回の主役車両、小型高級車のヴァンデン・プラ プリンセスは、
細かく言うと『ヴァンデン・プラ プリンセス 1100』、
『ヴァンデン・プラ プリンセス 1300』の2種類があります。
この2車は外見が同じでエンジンの大きさが異なります。

それと、1100と1300以外にも、より特別な仕様のヴァンデン・プラ プリンセスが
いくつか存在します。それらには1100や1300みたいに、「プリンセス」の車名の後に
さらに名前が続きます。『ヴァンデン・プラ プリンセス 4リッター(大型高級車)』など。

ヴァンデン・プラ プリンセスは『BMC ADO16シリーズ』と呼ばれる一連の車の一つです。
ADO16には全6ブランドがあり、
その中で最も高級な仕様のブランドが、『ヴァンデン・プラ』でした。

ADO16は基本的外見が6ブランドとも同じで、
細部がそれぞれのブランド固有のものになっています。

ADO16の姿は、やや角張った感じです。小型車で、ミニよりもやや大きめ。
後ろ姿は切り落としたような斜めになっていて、ボディ両端から少し飛び出た後部ランプ類。
丸目2灯ヘッドライトを持つ顔つきは、6ブランドごとに違います。

ADO16のヴァンデン・プラ・ブランド版、ヴァンデン・プラ プリンセスの場合、
正方形に近い形の銀メッキの五角形グリルが中央につき、
ヘッドライトの斜め下のグリル側に小さめな丸いライトが組み込まれています。
見るからに高級さはあるものの、少しかわいらしい感じ。
自分的には、グリルは縦長にしたほうが良かったように思ってしまいますね。

このヴァンデン・プラ プリンセス、古い車にしては、異様なほど日本では見かけます。
他の古いイギリス車とは比べ物にならないぐらい、圧倒的。
見かける車両は、黒などの風格漂う暗めな色が多いです。

イギリス車=高級車のイメージがあるからなのでしょうか。

高級版の『ヴァンデン・プラ』ブランドよりも
同じADO16の大衆ブランド版の『オースティン』や『モーリス』のほうが
イギリスでは売れたはずなのに、
日本ではそれらはほとんど見かけません。
逆転現象と言えるでしょう。

ヴァンデン・プラ プリンセスは1970年代に生産中止となり、
『ヴァンデン・プラ 1500』が後を継ぎますが、こちらは人気がないようで、
自分は一度も道で見かけたことがありません。

外見が高級なヴァンデン・プラ プリンセス。この小さな高級車は、小型車なのに
内装も豪華らしいです。
「小さなロールス・ロイス」と呼ばれるぐらいに。

とにかく、日本では遭遇する確率が高いです。
内外装の豪華さよりもすごい・・・。
そんな気もします。