『ジューエット』
廉価版ペイジとして登場した、少し小柄なアメリカ車。
アメリカでは、自動車メーカーが自社製品の販売を拡大するために、
新しい別のブランド名の自動車を作るということが広く行われていました。
メーカーによっては、子会社を作ってまで新しいブランドの車を
製造していたところもあるようです。
特に多いのは、
それまでの自社製品よりも低価格に設定された、廉価版の自動車ブランド名でしょう。
廉価版の自動車ブランドの例としては、ハドソン社の「ハドソン」に対する『エセックス』や、
ナッシュ社の「ナッシュ」に対する『アジャックス』など。
1920年代前半に登場した『ジューエット』も、廉価版として登場した自動車ブランドです。
ジューエット車は、『ペイジ』の廉価版でした。
ジューエット車の製造元は、ペイジ車と同じ『ペイジ・デトロイト社』。
また、ジューエット車が登場した時点では、
ペイジ・デトロイト社の当初の製品『ペイジ・デトロイト』は売られてなく、
単なる「ペイジ」が売られていました。
つまり、車からはデトロイトの名は取れていたのですが、
会社名はデトロイトの名がついたままだったようです。
J E W E T T
ジューエット車は本当に小さなペイジ車そのもので、
ペイジ車同様、普通な感じながらも魅力的な1920年代デザインを持っていました。
ボディ形状は箱形で背が高い感じの4ドア・セダンや2ドア・クーペ、
4ドアのトゥアラー(幌つきモデル)などがあったようです。
素敵な車だったものの、
1920年代半ばを越えた後には、ジューエット車は生産中止に追い込まれてしまいます。
結局のところ、ペイジ車よりも後に出て、ペイジ車よりも先に生産中止となってしまったのでした。
ペイジ・デトロイト社 全盛期(1920年代頃)のラインナップ
大:『ペイジ』
小:『ジューエット』
参考資料『ザ・コンプリート・エンサイクロペディア・オブ・モーターカーズ』等