今回も、分類が微妙な車。
以前書いた『ブラッドフォード』と良く似た感じがします。
『(ウーズレー)オックスフォード』
第二次大戦後のクラシックカー調タクシー。
1940年代後半、第二次大戦後に
『ウーズレー社』の工場で作られた車が『オックスフォード』です。
この車は「ウーズレー オックスフォード」と分類されることもあるのですが、
グリルがウーズレー車とは若干異なり、
それに当時のウーズレー車の車名は全て数字で構成されていて
オックスフォードのような名前になっている車種はなく、
なおかつオックスフォードの名をブランド名として扱っている資料もあるため、
ここではオックスフォード・ブランドとして扱います。
オックスフォード車は、
イギリスのロンドンを走る「ロンドンタクシー」として
使われた車両です(『オックスフォード タクシー』)。
ですが、乗用の『オックスフォード ハイヤー・カー』も作られました。
この車は、『ナッフィールド・グループ』の新型タクシーとして登場。
しかしながら、デザインはとても古風です。
当時のライバルの『オースティン タクシー(FX-3)』と同様、
独立式円形ヘッドライトとウィング(フェンダー)、
それに縦長のフロント・グリルを持っていました。
なお、オックスフォード車の基本ボディはこの1種のみ。
メインのタクシー仕様もハイヤー仕様も形は同じです。
オックスフォード車は、当時のウーズレー乗用車と非常にそっくりです。
決定的、と言ってもほんの少しですが、異なるのは銀メッキで縁取られたグリルです。
ウーズレー版のものは中央に他よりも太い縦線が一本入り、
グリル内上部中央にウーズレーのエンブレムが入ります。
オックスフォード版は中央に縦線が入るのは同じですが、
エンブレムがこちらから見て右上にオックスフォードの名が斜めに入っています。
そこが最大の違い。
お っ く す ふ ぉ ー ど
オックスフォード車の最後は、悲しいものでした。
1950年代に親会社ナッフィールド・グループがオースティン社と合併してBMC社となり、
「最大のライバル」たるオースティン タクシーが「仲間」となってしまったのです。
同じ会社に2つもタクシー専用車は要らないため、
売れていなくて知名度の低いほうのオックスフォード タクシーが生産中止に追い込まれたのでした。
参考資料『A-Zオブ・カーズ・オブ・ザ1945-1970』等