『ダーリン』
第二次大戦後のアメリカン・スポーツカーの車名の印象が強い。
アメリカのビッグ・スリーに挑戦したメーカーで有名なのは、
第二次大戦前（１９３０年代ぐらい）はコード社、
戦後（１９４０年代以降）はカイザー社です。
カイザー社の一ブランド『カイザー』として売られた唯一のスポーツカー、
それが１９５０年代前半に作られた『カイザー ダーリン』。
製作者のダーリン氏の名がついています。
かいざー だーりん
カイザー ダーリンはカイザー社の小型ブランド『ヘンリーＪ』のシャーシを用いた、
戦後の完全専用ボディを持った屋根なしのスポーツカー。
当時としては先進的かつ、飾りの少ない簡素なデザインでした。
グリルは小さく、口のような逆扇形になっているのが目立っていました。
だーりん
カイザー ダーリンがカイザー社の手から離れた後（１９５０年代前半～後半）、
改良されたらしく、その車両が単に『ダーリン』のブランドを冠していたようです。
イギリスの『ミニ』のような、車名からブランド名への格上げですが、
ダーリン車の場合、カイザーの名が取り除かれただけという感じですね。
カイザー車の改良版ダーリン車は、少数だけ作られたもよう。
恐らく、基本的デザインは
カイザー車時代のダーリンと同じだったでしょう（見たことないので、推測）。
また、戦後の１９４０年代後半にも、ダーリンの名を冠した試作車両が存在したようです。
ダーリン車は試作車およびカイザー ダーリン販売終了後のいくつかのみ、というだけで、
あくまでも部分的なブランド名でした。
参考資料『ザ・コンプリート・エンサイクロペディア・オブ・モーターカーズ』等
