こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

オースティン ジプシー

あの頃、残業なんて言葉は存在しなかった。

全国のアストン・マーティン・ファンの皆様、こんばんわ(あるいは、こんにちわ)。
英国車好きです。

今のアルバイトを始めてから、1周年が経過しました。

1周年記念ですから、今回はあの軍用車をご紹介します。

・・・嘘です、関係ないです。別に1周年だからこの車を扱うわけではありません。

この車が今日登場するのは、前回からの話の流れ上、すでに決まっておりました。

では、今回のイギリス車は・・・。


『オースティン ジプシー』
ライバルに狂わされた感のある軍用車

ローバー社が誇る傑作四輪駆動車『ランドローバー』。軍用車としても活躍したみたいです。

BMC社はローバー社に勝つため、
敗北した『オースティン チャンプ』の後継車を1950年代後半に登場させます。

その名は、『オースティン ジプシー』。

チャンプは『(ウィリス)ジープ(MB)』に似ていた軍用車でしたが、
どういうわけか後継のジプシーはライバルのランドローバーと

非常にそっくりな

スタイルを持って現れたのです。

ランドローバー車の初期モデルの特徴と言えば、
中央の顔つきが後ろに大きく凹んでいて、
そこに寄り目の丸目ヘッドライトが入るという奇妙なものです。
かなり奇抜なデザインですが、

ジプシーもほとんど同じデザインを採用。

自分は先代のチャンプがデザインで負けたとはとても思えないのですが、
BMC社はこともあろうに

ジプシーを

ランドローバー「そっくり」

にしてしまったわけです。

さすがにランドローバーとはグリルは異なり、
太めの5本線はチャンプの縦から横に変わって、はっきりとした「凸」(とつ)の形を作っています。

ジプシー誕生当時のことは知りませんが、ローバー社の関係者は驚いたでしょうし、
BMC社の関係者さえも驚いたのではないかと思います。

その後、数年経過してからの1960年代前半。
このままそっくりではまずい・・・、とでも思ったのか、
ジプシーは顔つきを変えます。

グリルは網目状に変わり、
凹(へこ)んだ顔つきの下部には、筒を横にしてめり込ませたようなグリルパーツがついて、
上から下へ波打つような顔に変わりました。

より奇妙になりました。

下のほうだけきゅっと丸みを帯びて前に出ているのです。
かなり意味のないような外見変更でした。

けれども、ランドローバーよりも奇抜さだけは越えることができたように思えますね。

 おーすてぃん じぷしー。

この車の末路は、実に寂しいものでした。
ローバー社を傘下に収めていた『レイランド社』とBMC社(当時はBMH社)が合併し、
最大の「ライバル」だったはずのランドローバーが「身内」になり、
常に後ろになっていたジプシーが残る必要性はなくなったため、生産中止となりました。

ジプシーは不運な軍用車でした。

それしか言えません。

一つだけこの車を褒めれることは、デザインが面白かったこと。

それしか言えないのです。