このコーナーでこの写真は、誰も予想しなかったでしょう(笑)。
(写真は書籍:カイザー・フレイザーから加工)
第二次世界大戦が終わってすぐの頃、
新しいアメリカ車として『カイザー』と『フレイザー』が出現しました。
カイザー・フレイザー社から発売された2ブランドは形が同じで、
フレイザー車のほうが普及版カイザー車よりも高級、という関係でした。
(写真左がカイザー、右がフレイザー)
しかし発売前のフレイザー車はグリルがボディ同色だったようで、
発売開始してからはメッキになったものの大雑把な感じ。
繊細な印象のメッキグリルを持つカイザー車のほうが、むしろ高級に見えました。
現行の『三菱 eKワゴン』と『日産 オッティ』も、そんな関係ですね。
オッティのほうが価格は上なのですが、
グリル的にはボディ同色で上下にメッキのラインが入るオッティよりも、
全面的にメッキ・ラインの入るeKワゴンのほうが高そうです。
eKワゴンのリアは、大衆車にもかかわらずリアコンビランプがクリアになっています。
一方、オッティのほうは保守的な赤。
全体的にオッティのほうが見た目は安い感じではあるのですが、
安全装備のABSが標準装備となっていることや、
OEM車(他社製品を自社ブランドで販売している車のこと)だということがあるから、
オッティのほうが価格が若干高いのです。
eKワゴンがカイザーだとすれば、オッティはフレイザー。
それら4つに共通することは、どれもデザインが良いという点だったりします。
カイザー&フレイザーは、フェンダー横の出っ張りをなくした最初の車とされています。
大手の他社が模倣するまでは、かなり売れていたみたいです。
eKワゴン&オッティは、普通ながらもその普通さがなんとも言えないところが素敵なのです。
カイザー&フレイザーはよく一緒に写真に写っていたようですけれど、
三菱社のeKワゴンと日産社のオッティは公式にはまず無いのが寂しいです。
今後は日産と三菱が軽で協力するようなので、
ぜひともブランド違いの兄弟車を左右仲良く並べた広告を作ってほしいですね。