『エース』
複雑な謎の車は、短い間だけ作られた。
エースという名を持つ車は、イギリスのスポーツカー『ＡＣ エース』が有名です。
しかしながら、
同じイギリスでも「車名（モデル名）」ではなく「ブランド名（製品名）」として用いられた
『エース』は、
ＡＣ エースに比べれば著（いちじる）しく無名で、
なおかつはっきりしない存在なのです。
Ａ Ｃ Ｅ
エース車は、１９１０年代の前半の短い間に
『サーモン・モーター社』で作られた、８馬力型のライトカー（軽量な車）らしいです。
このイギリス車は、かつて『リィニールド』が作られていた工場で作られ、
なおかつ同時代には『バグレー・カーズ社』の平凡な車『バグレー』が同じ工場で作られています。
別の会社が同じ工場で別の名を持つ車を生産。
バグレー社とサーモン社の関係は大昔のことで不明ですが、
エース車とは別に作られた、「サーモン社と同じ名の車（つまり『サーモン』）」は
「バグレー社の製品」となっているので、
サーモン社は
「小型車を作るために創立された、バグレー社の別会社」という可能性が高いです。
だからこそ、同じ工場で生産が行われていたのかもしれません。
ただし、確実にそうだとは言い切れないのです。
少なくとも、バグレー社のほうが力関係は上だったと推測できます。
どうにせよ、エース車は、謎に包まれた小型車でしょう。
バグレー社の製品：バグレーおよびサーモン
サーモン社の製品：エース
参考資料『ザ・コンプリート・エンサイクロペディア・オブ・モーターカーズ』
