今回は、ついに英国自動車史上最大だった自動車メーカーについてです。
『ブリティッシュ・レイランド』
圧倒的な英国最大の自動車メーカーだった。
今はありませんが、かつては『ブリティッシュ・レイランド社』という、
最強と言うべき自動車メーカーが存在していました。
1960年代後半、
英国最大の乗用車メーカー『BMH社』と
英国最大の商用車メーカー『レイランド社』が合併し、
『BLMC(ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション)社』になりました。
・・・「ブリティッシュ」の名がついているのは、
BMH(「ブリティッシュ」・モーター・ホールディングス)とレイランドが合併したという
事情があるためで、
どこかの国の英国子会社というわけでは全くありません。
合併したことにより、これまで双方とも多く所有していた自動車ブランドが
一つの巨大なメーカーの下に置かれました。
さらに品ぞろえが広がったのです。
乗用車のブランドでは、多い時にはなんと11ブランドもありました。
これだけ同時期にブランドが乱立していたのは、
後にも先にもブリティッシュ・レイランド社だけでしょう。
あまりにもすごかったのですが、結局は大小のメーカーの寄せ集めで、
その大小のメーカーが合併前と同じようにそのまま生産をおこなっていたらしく、
実に無駄が多い状態だったようです。
その上、旧BMH系と旧レイランド系の主導権争い。
BMC(BMHの前身)時代にも主導権争いがありました。
対立していた二者(オースティンとモーリス)に新しい対立相手(レイランド)ができて団結したのか、
あるいは十年を越えるBMC~BMH時代を経て二者が仲良くなっていた・・・のかどうかは
分かりませんが、とにかくこの時の主導権争いはBMH対レイランドだったようです。
そんな理由で、『オースティン』や『モーリス』、『ローバー』などの素晴らしい
トップブランドを多数持ちながらも、BL社は力を失っていきます。
1980年代には、BL系のいくつものブランドが去ってしまったのでした・・・。