こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

BMC ADO16シリーズ

今回は、イギリス車のお話です。

『BMC ADO16シリーズ』
イギリスが誇る大衆車の名品だった。

ADO16とは型式名で、イギリス最大の乗用車メーカーだった
「BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)社」の主力製品の一つでした。

1960年代に登場し、BMC社の持つ6つのブランド分のADO16が作られました。
また、イタリアの『イノチェンティ社』が『イノチェンティ』ブランドで
ADO16を生産・販売していたこともあります。

ADO16の基本的な形は、少し背が低く、やや角張った感じ。
後ろは切り落としたように斜めで、両端から後部ランプ類が少し飛び出ています。
これは後期型になると、ボディ後方と同じように斜めになりました。
顔つきは丸目2灯ヘッドライト。ブランドごとに顔は変えられています。

  【小型車ADO16シリーズの6ブランド】

大衆版『オースティン 1100』/『モーリス 1100』
横長のグリルを持ち、それぞれデザインが異なります。

スポーティ版『MG 1100』
MG伝統の二分割グリルを持つものの、正方形に近いグリルなので、
ヴァンデン・プラ版ADO16に少し似ています。

高級版『ウーズレー 1100』/『ライレー ケストレル
ライレーのほうがウーズレーよりも高級な位置づけ。
どちらも伝統の縦長フロントグリルを持っています。

最高級版『ヴァンデン・プラ プリンセス1100』
正方形に近い五角形のグリルを持つ、日本でよく見かける車。

ADO16には途中から1100だけでなく1300も加わりました(『モーリス 1300』など)。
全てに4ドア・サルーン(セダン)が用意されていて、
大衆版オースティン/モーリスとMG版には2ドア・サルーンもありました。
それと、大衆版だけにはエステートカー仕様(ステーションワゴン)も用意されていました。
他にも海外仕様などもあるようです。

1970年代。BMC社が巨大な自動車メーカーのブリティッシュ・レイランド(BL)社と変わり、
膨大な車種を削減する必要がありました。
色々あり、なおかつかなりの数が売れた人気車のADO16シリーズですが、
1970年代には車種整理のため、人気のない(販売不振の)ブランドから消されていきます。
まずは『ライレー』。
その後、どんどん生産中止となり、
最後には『オースティン』と『ヴァンデン・プラ』だけが残りました。

ADO16シリーズが生産中止となった後、
後継車として『オースティン アレグロ』と『ヴァンデン・プラ 1500』が用意されましたが、
こちらはあまり成功しなかったようで、日本では見たことがないです。
イギリスでも、多分ADO16ほどは売れていなかったでしょう。