こまかい後悔日記

主に車、WoT、アニメなどのことを書くブログです。

スクァイア

『スクァイア』
1930年代にごく少量が作られた、美しき幻のスポーツカー。

踏み入れたことのない道へ入った。
霧がかかっていた。
道の先では、幻に近い希少車の頂点の一つ『スクァイア』が止まって待っている。
そこに届くまで、あと少し。

・・・こんな情景があったかどうかは知りませんが、
とにかくこの車は、今では知名度が高いです。ほとんど数が作られなかったにもかかわらず。

スクァイア車は、1930年代半ばにイギリスで作られた
オープン式スポーツカーとして知られています。
流れるように美しいボディを持ち、顔つき中央のグリルはかなり傾斜されているのが特徴。
ショート・ホイールベース版とロング・ホイールベース版がありました。

 ホイールベース:前輪中央から後輪中央までの長さのこと。
 デザイン上としては、長ければ当然全長が長く、短ければその分全長も短くなります。
 ショートは短い、ロングは長いの意味。

生産台数は、ショート・ホイールベース版が5台、
ロング・ホイールベース版が2台と言われています。

7台の悲劇とでも言うべきでしょうか。

あまりにも流麗なデザインを持っていたのにもかかわらずたった7台しか売れなかったのは、
値段の高さが原因です。

デザインも優れていましたが、価格もすごく高かったのでした。
高級車のごとく高価だったのです。

たとえデザインが美しくても、
1930年代に急に現れた謎の車にお金を積める人はほとんどいなかったのでした。
生産台数が1ケタなのが、その証拠でしょう。

デザインが美しい車なら、同時期頃に出ていた『SS ジャガー』があります。
このSS ジャガーはデザインが良い上、
スクァイア車とは対照的に価格が驚くほど安かったのです。

それに、スクァイア車が買えるのなら他の評判のあるスポーツカー、
あるいは本物の高級車が購入できたはずです。

SS ジャガーは大成功し、第二次大戦後に『ジャガー』となりました。
そして現在まで(なんとか)存続しています。

一方、スクァイア車はたったの2年ほどで幕を閉じます。

現在、スクァイア車は
売れていた他の1930年代のイギリス車と同じぐらいに知られているようです。
(注:日本ではあまり知られてないと思います)
この車の持つ素晴らしさが評価されているからでしょう。
スクァイア車はどうして売れなかったのかと疑問に思うほど、
優れたデザインを持っている車なのですから。