4代目『日産 マーチ』は、タイで生産されています。輸入車ということになりますね。
この現行マーチ(K13型)、海外はどうか知りませんが、日本では売れ行きが良くないようで、
売れまくるコンパクトカーの中では、あまり路上で目撃しないほうです。
今回は、そんな現行マーチのデザインを語ります。
まず、フロント周り。
私は、ボンネット上にエンブレムを配置する車があまり好きではありません。
最終型『日産 ブルーバード』前期や『日産 パルサー・セリエ』など、90年代の日産車は、
他が良くても、その点がいまいちでした。
ですが現行マーチは、あの頃よりもデザインが優れた日産エンブレムを持っています。
円に近づいたこのエンブレムのお陰で、ボディパネル上に配置していても良く見えます。
ボディパネル上にエンブレムを配置して、その下のグリルの上部を凹ますという手法。
私はこれが嫌いなのですが、現行マーチはそれほど凹ませてはいないため、
すごく気にはならないです。
よって、顔つきは上手く出来ているのではないでしょうか。
やや楕円のヘッドライト、大口のバンパー開口部が特徴的で、
左右のバンパー・ガードパネルとフォグランプ用の円が空間を上手く埋めていているのが良いです。
サイドは、後部座席周辺より後ろが、リア・ドアより前とのバランスが悪いです。
なんとなく、強引に継ぎ足した印象。
現行マーチ最大の問題はリア周りでしょう。
下位グレードのドアハンドル黒はやめたほうがいいです。
これだけで、この車に安っぽさのイメージがついてしまいます。
そこを除いても、平面的に見える造形が残念。
現行マーチのスタイリングは、リアを除けば全体的に、今風の形でまとめたって印象だと思います。
ですが、以前のマーチはどれも、そんな感じでした。
世界の大衆車も『フォード モデルT』、『オースティン セヴン』、
『モーリス ミニ・マイナー』、『オースティン メトロ』などの面々も、
当時の普通なデザインで作られていました。
しかし例外もあるもので、『シトロエン 2CV』は出た当時よりも
古いスタイリングを持っていました。
現行マーチは世界の大衆車という点では間違ってはいない形だと思いますが、
やはり後ろ姿を褒められない点が悲しいところです。